先週は忙しくて相場から離れてたのだが、
「長短金利の逆転」が一時解消されるという事態が起こったらしい。
●基礎的な背景
金利には大きく分けて長期金利と短期金利というのがあって、
長期金利は10年債(償還期間が10年の国債)、短期金利は政策金利を指す場合が多い。
普通、短期より長期のほうが高いのだが、長らくアメリカでは短期金利のほうが高くなっていたのである。
なお、金利が高いと、人は将来のために貯蓄をして、金利が低いと今消費をする。
単純に考えると銀行の利子が10%だったら預けたくなって、利子はナシ!だったら預けず、使ってしまうだろう。
ようは金利を低くすると景気をよくするための刺激となり、高くすると過熱気味の景気を引き締める策になる。
つまりアメリカの金利で短期のほうが長期金利より高いというのは、
いまは金利が高いけども、いずれ経済が失速して、景気を刺激するために金利は低く設定されなおすだろう
という予想が働いていたため、長期金利が短期金利よりも低くなっていたのだ。
今日の日記のまとめ
・短期金利とは中央銀行が誘導する金利である。
●短期金利=コールレート=何?
そもそも短期金利とはなんだろうか、そこから説明したい。
企業が設備投資やその他、何かするとき必ず必要になるものがある。お金だ。
何かするに当たってこのお金を調達しなければならない。
そして主な三つの資金調達方法として
①銀行から借りる ②社債を発行 ③増資をする という手段がある訳だ。
この中で①の銀行から借りるという手段に着目してみよう。
企業は銀行から資金を借りるのだが、銀行もお金を借りている。
それは預金だったり、もっと手っ取り早く借りるお金はコール市場と呼ばれるところから調達したりする。
このコール市場というのは一言でいうと決まった利子でお金を貸したり借りたりできる市場のことだ。
信用力のある保険、銀行などの金融機関のみが参加できる市場で、利子の決まり方は需要と供給で決まる。
需給で決まるのなら当然貸したい人が多ければ低くなるし、借りたい人が多いなら利子は高くなる。
これって全然「決まった利子で」じゃなくね??と思うかもしれない。
しかし、ここに中央銀行が介入するのだ。ここが肝。
日本の場合で説明すると、このコール市場で日銀がお金の貸し手となるのである。
日本の政策金利は0.50%と新聞で見ることがあるだろう、これがコール市場での目安となる利子になる。
実際の流れで説明すると、まず日銀が政策金利を発表する。
そして即日日銀がコール市場での利子が0.50%になるまでお金を供給しまくるのだ。
(0.25%→0.50%の場合は供給を緩める。)
それゆえ政策金利は「誘導目標」という単語がつくのである。
以上が政策金利=コールレート=短期金利と言われるものである。
アメリカの政策金利はFFレート(Fedral Fands Target Rate)という。日本はコールレートね。
ちなみにゼロ金利政策というのは実質コール市場での金利が0付近になるまで日銀がお金を供給する政策である。
そうすると金融機関は安い利子でお金を調達できて、そこから企業も安くお金を借りられて、
景気がよくなるだろう、という金融政策であった。
実際にはお金はジャブジャブになったが、
銀行は積極的な融資を行わなかったため量的緩和をするハメになるのだが。
さて、これから長期金利のお話し、アメリカでの動き、今後どうなる可能性があるのかってのを
書くのもしんどくなってきたので今日はこの辺でうちどめ。
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