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Mちゃんの一日一問 経世済民!

美人女子高生Mちゃんが一日一問経済クイズを出しちゃいます。→出してません。経済解説ブログに退化。

May 17,2024

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↑   by at 02:21

January 25,2008

● ソシエテジェネラル7600億円


ソシエテジェネラルで一人のトレーダーが7600億円の大穴をあけたことが発覚した模様。
ポジションをすでに閉じているのかどうか不明だが、額がまたすごい。

仏大手銀 トレーダー不正7600億円損失(読売ONLINE)
----------------------------
上の記事をまとめると
・パリ勤務のトレーダーの一人が許可されていないほどのポジションを取って巨額損失
・損失額はおよそ7600億円
・複雑な架空取引で損失を隠ぺいしていた
・不正取引を行っていたのは2007年から2008年の初めまで
・過去の似たような事件はベアリング銀行で1600億円、大和銀行1100億円、住友商事2800億円
----------------------------

トレーダーに目が行きがちなこの事件、「バックオフィス」に焦点をあてて紹介したい。


●不正取引の起こり方
株でも何でもやってみるとわかるのだが、ロストカットというのは非常に難しい。
損切りをせずに持ち続ければ買値を上回るだろうと思ってしまうからだ。

どうやらプロのトレーダーでもそう思う人がいるらしい。
今回の不正取引にかかわらず、ベアリング銀行、大和銀行、住商の事件でも
トレーダーが少しの損失を取り戻そうとさらに大きくポジションを張り、
そのまま抱えたまま死亡というパターンである。

つまりこの不正取引の「不正」には2つの意味が込められているといえる。
・トレーダーが許可を超えた金額をつっこむ不正
・ルールを破って不正にポジションを持ち続けるという不正
である。


●バックオフィスの管理
普通、トレーダーというのはポジションと損失の上限が決まっている。
適当な例だが、ポジションは50億円まで、含み損は5%までという具合である。
トレーダーはポジションの額の上限を超えてポジションをとることはできないし、
含み損の上限を超えると自動的にポジションを解消する取引が行われる。
それらを管理するのが「バックオフィス」だ。

バックオフィスの人々は日々、トレーダーが分を超えてポジションを取っていないか、
あるいは含み損を抱えていないかをチェックする。
トレーダーが許可された損失を超えると解消するトレードを行うのも彼らだ。

過去の事件でいうとこれらのバックオフィスの業務が機能不全に陥っていた。
たとえば住商の事件だと、
ポジションのチェックを行う業務の責任者は不正を行っていたトレーダー自身であった。
その上、今回の事件と同じように複雑な取引で損失を隠ぺいしていたが、
不正を働いたトレーダーが、取引の権限を持つ上司の印鑑を勝手に持ち出して取引を行っていた。
ひどすぎて笑えるが実際に行われたことである。

今回の事件はおそらくこれほどひどくはないだろうが、
なぜ不正な取引をバックオフィスが管理できていなかったのか、今後の真相解明に注目である。


●不正取引期間の短さ
今回の時間は2007年から2008年の頭までと1年未満の期間で行われた。
住商の事件は85年から発覚した96年までの11年間にわたって行われ、これと比べると非常に短い。

不正を働いた商品は指標先物であったといから、
おそらくサブプライム後のボラリティが高くなった相場で
ひと山あてようとしたところ、予想と逆に動いてしまったに違いない。

事件の類型としては、阪神大震災時の日経のオプションで大損こいたベアリング銀行のケースと非常に似ている。
こちらのケースは阪神大震災のとき、下げ止まるだろうという予想の元で
ポジションを張ったところ、そのまま下げられてしまったというものである。
その結果、ベアリング銀行は破たんした。
(ちなみにこの事件は、イギリスの銀行のシンガポール支店でイギリス人が日経平均の取引をしたところ、
大損こいて銀行がつぶれ、オランダの金融機関が買収した。という超グローバルな事件だ。)


●デリバティブの難しさ
過去のベアリング銀行と住商の事件に加えて今回の事件は、
先物取引というデリバティブ金融商品が舞台の事件である。

デリバティブはハイリスク・ハイリターンな商品であり、
損失を隠されて拡大された時には会社にとって致命的なダメージになる。
ベアリング銀行は一人のトレーダーの損失で破綻に追い込まれた。
また、市場もあまり大きくないのでポジションを抱え過ぎると
解消するときに相場自体を崩してしまい、さらに損失がでてしまうのも特徴だ。
住商の事件ではあまりに巨額のポジションを抱えてしまい、売るに売れなくなった状態から損失が膨らんだ。

一方で高度な専門知識を必要とするので、これらの管理をするバックオフィスも
それなりの知識を持った人々でないとならない。

もっとも管理を徹底しなければならない分野なのにも関わらず
もっとも管理が難しい分野となっているトコが、
デリバティブの不正な取引で巨額の損失を生みやすい体質になっているのだろう。
今回の事件をふくめバックオフィスの大切さがよくわかる事件だ。

外資系のバックオフィスを狙っている就活生はこの事件、要注目である。

(了)


----------------
参考 住商事件―相場を通して検証するその真実
住商の2800億円損失の取引記録を中心に解説した本。
おもしろかったが、興味がないとつまらないと思う。

今回のニュースをみて告白 (文春文庫)
を買ってみた。こちらは大和銀行のほう。卒論が終わったら読みたい。

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日々のニュース

↑   by M でございます。 at 15:39 | comments(2)

Comments

無題

バックオフィスの意義、大変勉強になりました。

それにしても、今回の件もベアリング銀行のときも、上がるだろうと思う根拠は何なんだろうね。入念な計算に基づいていたのか、それともテキトーに「いけるだろ!」という意気込みなのか、はたまた緻密な理論と計算に基づいてはいるのだけれども、一攫千金のチャンスを目の前にしてアドレナリン全開で高揚感が絶頂に達して思い切ったことをしてしまうのかね。

ちなみに来週、もう一つのフランス系投資銀行の面接いってきまーす、なぜか債券部~

ところで、赤ずきんのレビュー最高よ。
最初の一時間、主演Mねww

by JFK(9a8b28b0f9) at Jan 25, 2008 | EDIT

無題

>投資目的
その辺は自らの経験に基づくものなんだろうけど、
住商もベアリング銀行もトップトレーダーが不正取引を引き起こしてるんだよね。
会社に信頼されてるから、バックオフィスもついついあの人なら・・・って監査が緩くなっちゃうっぽい。

>仏系投資銀行
東京駅近くの新しいビルの最上階にはいってるとこかなw
ちゃんと自分だしつつもTPOわきまえるのよ!!笑

赤ずきんはあまりのつまらなさにネタになるぜあれは。

by M(9377606c21) at Jan 25, 2008 | EDIT

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